第38回はフォードモーター(F)です。
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どんな会社??
フォード・モーターは言わずと知れた米国の自動車メーカーです。
アメリカ三大ブランド「BIG3」を構成していた1つです。
BIG3
- ゼネラルモーターズ(GM)
- フォード・モーター(F)
- クライスラー
ブランド名は社名そのままの「フォード」と「リンカーン」がメインとなっています。また、乗用車だけでなくトラックの製造と販売も行っています。また、関連ビジネスとして、レンタカー、リース、保守、修理、長期保証サービスなども提供しています。
また長らく日本のマツダ自動車と提携し日本展開もしていましたが、遂に2016年に日本事業からは撤退してしまいました。少し残念ですね。
現在の株価データ
2018/01/26時点で、11.65$。perは6.1です。
配当利回りは5.15%。
また、S&P格付けはBBBであり、Stable(安定的)です。
格付け、見通し共に2016年に更新されています。
perは非常に低く、割安に放置されていると言えます。
配当利回りも魅力的な水準です。
株式指標の推移
株価の長期チャート
※画像はgoogle finaceより
20世紀終わり頃にピークを迎えた後、その後は低迷しているようです。
特にリーマンショックでは大打撃を受け、株価は大暴落しました。
リーマンショックではそれまで保有していたブランドである、「ボルボ」や「ジャガー」、「ランドローバー」などを売却し、苦境をどうにか脱した形になります。
総売上高
売上高はリーマンショックで大きく落ち込みましたが、その後は回復基調です。
やはり米国は依然として大排気量の自動車社会であり、ピックアップトラックのような小型トラックが、非常に多く道路を走っています。そしてフォードの主戦場は、やはり北米市場であるので売上は減少するどころが、近年伸びてきています。
1株あたりの利益(EPS)
リーマンショックの時は本当に大打撃だったようです。
その後は危なっかしいながらも黒字を常に確保できているようです。
ですが、伸びていっている雰囲気はありませんね。
自己資本利益率(ROE)
ちょっと見難いグラフになってしまいました。
16年度で13%程度、13年度で33%くらいあるイメージです。
安定はしていませんが、それなりの水準でしょう。近年は20%を超えていませんが。
1株あたり純資産(BPS)
リーマンショック後は債務超過を解消し、順調に資産を積み上げてきています。
立ち直れてよかったですね。
フリーキャッシュフロー
こちらも近年は回復基調です。
配当の推移
12年度からようやく配当が復活しました。
新生フォードとして、また歩み始めた感じです。
2018年1月現在、配当利回りは5%を超えており、配当自体は魅力的な水準になっています。
まとめ
米国最大級の自動車メーカー、フォードモーター(F)の分析でした。
かつては「BIG3」として名をはせた大企業です。
米国自動車3社そろってリーマンショックが直撃し、ビッグ3の1角「クライスラー」は倒産してしまいました。BIG3が窮地に陥った理由は様々あると思いますが、やはり巨大な米国市場に胡坐をかいた高コスト体質が一因にはあるでしょう。
しかしながらフォードはリーマンショックを乗り越え、3社の中で唯一公的資金を注入されずに、なんとか復活しています。
ただ一度窮地に陥った名門企業を、現在の市場はあまり評価せず、perは5%台と非常に割安に放置しています。この理由としてはやはり、フォードの主力事業であるガソリン車の先行きの暗さに起因していると思われます。確かに電気自動車は世界的な潮流ですし、フォードはあまり電気自動車に積極的に乗り出していないので当然かなとも思います。
ですが、さすがにper5倍は安すぎるのではないかとも思うのです。
なんだかんだ言ってもまだまだ黒字企業ですし、アメリカの交通事情を見ていてもそう簡単に電気自動車に取って代わられるようには思えません。大排気量のトラックがまだまだたくさん走っていますしね。
また、S&P格付けもBBBとそれほど悪い評価ではなく、ちょっと斜陽産業としても見捨てるには早すぎるような気がしてなりません。
完全に市場への逆張りにはなってしまいますが、ちょっと期待してしまう銘柄でした。
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